[不妊]“卵子の質”が妊娠への絶対条件
卵子は数に限りがある
卵子の数は、生まれた時には既に決まっています。
胎児の時に卵子の元となる「原始卵胞」が“一生分”つくられ、初潮を迎えるまで休眠します。
しかし原始卵胞は体内で徐々に減り続け、胎児の頃700万個あったものが、出生児には100〜200万個に、初潮を迎える頃には30万個にまで減少します。
その後も1日に30個ほど消失し、生涯で排卵できる数はおよそ400〜500個ほどと言われているのです。
卵子の成熟には180日かかる
卵巣の原始卵胞が、排卵可能な「卵子」へと成熟するためには、“約180日”かかります。
最初の3ヶ月で一次卵胞へ、次の3ヶ月で二次卵胞へと成熟し、最後の14日間で脳の下垂体から放出されるホルモンである、FSH(卵胞刺激ホルモン)の影響を受けて成熟を早めます。
つまり月経の初日あたりから、排卵に向けて急速に成熟します。
実はこの時、一個の原始卵胞が成熟に向かうのではなく、たくさんの原始卵胞が目覚め、それぞれ成熟へと向かう中で一番早く成熟したものが、たった一個だけ、「排卵」されます。
その他の卵胞は全て退縮し、消失してしまうのです。
このように卵巣にストックされている有限の卵子を消費しながら、妊娠へと向かうため、高齢になるほど残りの数も少なくなっていきます。
卵子の質を高めることが妊娠への絶対条件
たくさんの卵胞の中から選ばれた、この“たった一個の卵子”が、必ずしも質の良いものとは限りません。
万が一、質の悪い卵子であった場合は、どんなに頑張っても妊娠にはいたらないのです。
例えば体外受精等でグレードの高い卵子と判定されても、実際には染色体異常が含まれていることもあり、この場合は受精卵として育たないか、育っても流産してしまうことになります。
つまり、「卵子の質」を高めることが、妊娠への絶対条件なのです。
余裕ある取り組みを
卵子の成熟には“180日”かかります。
つまり、毎月の排卵は180日前から成熟が始まっているわけです。
このことを踏まえて、不妊治療は自然妊娠はもとより、タイミング法、人工授精、体外受精のいずれであっても、期間的に余裕を持って開始されることをお勧めしています。
もちろん、体外受精等の移植のスケジュールに入ってからの不妊治療も受け付けております。それで実際に妊娠されている方もいらっしゃいます。
ただしそれは、結果的に見て「卵子の質に問題のない方」だったから、と言うことができるでしょう。
少なくとも、採卵前から余裕を持って臨んでいただきたいと思います。
特に年齢と共に、卵子の数は減少します。
決して焦る必要はありませんが、だからこそ“質”に拘っていただきたいと思います。
卵子の質を高めるために、是非余裕を持ってお取り組みください。
関連症状
生理痛・PMS
不妊症